C-STEERING

WHAT IS C- OR REAR-RISER STEERING ?

リアライザー(Cライザー)コントロールとは何か?
この記事では、いわゆる「リアライザー コントロール」の働きと利点について説明したいと思います。
今回は、例としてブテオXCのライザーで説明をしていきます。
この機体は3ライザー列で、AとB、Cのライザーがあります。
ここではCライザーがリアライザーになるので、Cコントロールとも呼んでいきます。
下の図で赤く示されているのは、このCライザーに付いている補助ハンドルです。

A図は、スピードシステムを使っていないときのライザーを示し、Cコントロールも使われていません。B図はパイロットの手によってCハンドルが引かれている状態です。

 

HOW DOES C-STEERING WORKS ?

Cコントロールの働き方
飛行中にパイロットがCハンドルを掴むと、Cライン列を全て引き下げることができます。こうすると翼断面型が少し下に曲げられ、翼の迎え角も増し、これらのことで揚力が増えるとともに抗力も増え、グライダーの飛行速度が遅くなります。
こうしてCコントロールによって、グライダーの飛行速度を遅くしたり、片側だけ引き下げて旋回を始めさせる(もう一方の何もしない側はそれよりも速く飛ぶので、グライダーは片方へ旋回するわけです)といった使い方をします。

 

WHAT HAPPENS TO THE PROFILE WHILE USING C-STEERING ?

Cコントロールで翼断面型に何が起こっているか?
Cコントロールの利点のお話をする前に、翼断面型自体に何が起こるのか、を見てみましょう。
図1の翼断面型はトリム速度での安定した飛行時の揚力分布を示しています。黄色い矢印で示されたピッチモーメントは比較的弱く、揚力や効力もまた弱めです。

図2はCライン(赤色で示されています)が引き下げられている状態の翼断面型を示しています。
見てわかるとおり、揚力は強くなり、揚力分布は後縁に向かって広がっています。
このことで翼断面型に対して頭下げの力となるピッチモーメントが強くなります。
しかしこの頭下げの力は、抗力が増える割合が大きいことでうまく打ち消され、重心の移動によってグライダーの飛行速度が遅くなり、結果として良い翼型安定性になります。

図3はメインブレークライン(赤色で示されています)が引かれて後縁が下がった状態を示しています。
この「フラップ」のように折れ曲がった後縁によって、揚力と抗力が大きく増え、ピッチモーメントも前の2つの図の例よりもはるかに大きくなります。
このようにブレークがかけられたグライダーの飛行速度がとても遅くなる、というのはパイロットが良く知っていることです。このときの良い面は、翼断面の前の部分で増えた揚力が、後縁でのブレーク操作とその反応に対する前縁の動きとのつながりを良くするので、グライダーがよりしっかり、かたく感じられることです。

 

WHEN DO I USE C-STEERING AND WHAT ARE THE BENEFITS ?

どんな時にCコントロールが役立つか?
Cコントロールが役立つ代表的な場面が2つあります。
1.スピードシステムを使っていないとき
2.スピードシステムを使っているとき

まず、スピードシステムを使っていないときにCコントロールがどう役立つか、です。メインブレークを使った通常のブレーク操作に比べて、図2で見たCコントロールの翼断面型の方が揚抗比が良くなります。特定の条件では、弱くても大きなサーマルでフラットに回せて~より大きな投影翼面積とより高い滑空比によって~より良い上昇率を得ることができます。

しかしながら、Cコントロールが本当に役立つのは、スピードバーを踏み込んでいるときです。
パイロットがスピードバーをフルに踏み込んで谷渡りをしているとしましょう。このとき、高度の損失を避けるため、できるだけ良い滑空比を求めようとするはずです。もしスピードバーを踏み込んでいるときにメインブレークを使ったとしたら、垂れ下がった後縁のフラップによって抵抗が増し、滑空比が悪くなってしまいます。ところが、実際のフライトでは安定した風で谷渡りができるとは限りません。
そこで、滑空性能を損なわずにグライダーを効果的かつ安全に操作する方法が必要になってくるのです。ここでCコントロールが大いに役立ちます!
まず、リアライザーを使えば、あまり速度を損なうことなくグライダーを簡単に操作できます。次に、ピッチモーメントの増大は、メインブレークをわずかでも使うよりずっと少なくて済みます。
フライトにとって、ピッチモーメントは非常に興味深いポイントなのです。ピッチモーメントの増大はグライダーに頭下げの力をもたらし、フルにスピードバーを踏み込んでいると、フロントコラプスの恐れが生じます。
これは簡単に説明でき、スピードシステム使用時にX度の迎え角で翼型が安定しているとしましょう。ここで少しでもメインブレークを使うと、ピッチモーメントによって迎え角がそれよりも1度増し、確実によりフロントコラプスになりやすくなります。しかしCコントロールでグライダーの速度が遅くなったときの翼型であれば、ピッチモーメントはより少なく、それほどの頭下げの力は働きません。
一言でいえば、グライダーはより安定し、よりコントロールできるのです。もう一つの良い点は、パイロットの手がCライザーにあれば、乱れた空域を飛行中にグライダーの構造安定に起きる変化を瞬時に感じ取ることができ、より早く必要な対応をとることができることです。

 

HOW ABOUT THE DOWN SIDES ?

では、注意点は?
リアライザー コントロールで、覚えておかなければならない注意点は主に1つだけです。
C列を引き下げると飛行速度が遅くなりますが、グライダーによっては、リアライン操作に対して非常に敏感に反応して、パラシュート ストール状態になるものもあるのです。具体的な言い方をすると、ブテオのMサイズはブレークを60cm引くとディープ ストールに入り、これはパイロットが60㎝以上引かないとフル ストールしないということですが、スピードバーを踏んでいないときでもCライン列を15㎝以上引くと、ストールポイントに達してしまいます。
これでお判りでしょうが、この例でいうと、4倍の効きです。つまり、リアライザー操作でのフライトには、SIVの練習環境が必要であるということです。

 

CONCLUSION

結論
Cコントロールは、クロスカントリー機の性能を最大限に引き出すことを求めるパイロット全てにとって、基本的なツールです。このフライト テクニックを正しく使うには練習が必要で、また、全ての条件で使えるというわけではありません。
しかし、Cコントロールによって、スピードバーを踏み込んだフライトの限界を上げていくことができ、さらに、クロスカントリーにおいて最大限の成果を挙げようとするならば、常に必要とされる技術でもあります。

 

では、BUTEO-XC で楽しいフライトを!!!

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