WillsWing T2C-136 レポート

WillsWing T2C-136 の試乗レポートをまとめました!

 

ウイルスウイング社の最新キングポストレス機T2C‐136につき、入荷直後の9月前半に6名のエキスパートパイロットが足尾山で試乗しました。うち女性は1名 で、裸体重は50・52・56・58・60・62kg、飛行時間は60kgのパイロットの時が10分余りだったほかは1時間半~2時間半のフライトです。その試乗感想は共通していて、フライト後の第一声は「良い機体だ!」あるいは「楽だ~。楽しかった!」です。夏場の足尾だと50kg代後半がウエイトレンジの中心となるようです。

 

コントロール性:

軽く、小回りが利き、バランスがとれていてクセがなく回しやすい。体重が軽めだと初動で少し動きの鈍さを感じることがあるが、いったんターンに入ると修正操作に素直に反応する。センタリングはニュートラル近くで操作してサーマルを拾うという感じで、特に体重が重めの場合は低速で押し出して浮かせるという感じではない。それでもサーマルコアへの追随性が良く、浮かせやすい。実際、良く浮いた。

 

直進性能:

VGフルオンでも直進安定性は特筆もので、しかも修正操作がとても楽。バープレッシャーもちょうど良い軽さで、思いっきり引いて行ったときやサーマルによって急にバープレッシャーが抜けるということがなく、バープレッシャー変化のバランスも良く安心感がある。80km/h以上の高速までストレスなく加速できた。滑空比を他機と比較できていないが、ひとつ大きいサイズのT2C-144が世界各地の大会で活躍し今夏ついに11年ぶりの世界記録764kmを出しているのに比べても遜色のないフライトぶりだ。

 

離着陸:

揺れのないとても素直なコントロール性は離着陸でも大きな安心感を与え、操作が楽だ。60kg以上の体重で微風だと離陸での浮きは144サイズほど強くなかった。フレアーのタイミングも素直なものだが驚くほど遅くまで粘る144サイズのような感じではない。VGの設定によるのかも知れない。

 

VG:

新しいT2/T2CはVGの作動レンジが広く、軽く引ける。T2/T2C(およびU2)は、飛行時は離着陸も含めてVG1/4がフルオフで、センタリングもこの1/4が基本だが、T2C‐136は重めの体重だと1/2くらいでセンタリングしても良いかも知れない。シンプルで信頼性の高いVGクリートは引っかけ方向が真後ろなので以前は後上方へ引くクセがあるパイロットは1本目のフライトで戸惑うときがあったのが、今回は皆、違和感なく飛べた。

 

カーボンケブラーインサート:

T2C‐136のピッチのバープレッシャーについて、競技志向のパイロットは荒れていない条件ならさらに軽い高速バープレッシャーを求めるかも知れないが、スプログ設定に大きな余裕のあるウイルスウイング社の工場出しのセッティングとしてはこれでも軽い方だ。さらにスプログを下げてバープレッシャーを軽くする場合でもT2C標準装備(納品時は抜いてある)のカーボンケブラーインサートを入れれば高速のピッチ安定がさらに強化され超高速性能が増すだろう。

 

コントロールバー:

アップライトの長さは161cmでT2C‐144のものより4cm短くスポーツ2‐135とのちょうど中間サイズになる。ベースバーの長さはスポーツ2‐135と同じで、コンパクトなコントロールバーになっている。機体を担ぐとアップライトがちょうど日本人の肩にはまり、持ちやすい。アップライトはスポーツ2やU2と同じ幅の狭いライトストリームアップライトで発注することもでき、この場合機体重量は0.6kg軽くなる。T2C標準装備のカーボンベースバーは大変仕上がりの良いもので、その形状も握力なしに操作のしやすい優れもの。そして防護のグラスカバーはきれいに航空規格のエポキシが抜かれていて美しい。

 

カーボンリアキール:

本来はフルオプションパッケージのT2Cでも透明マイラーの最強テクノーラセールとこのカーボンリアキールはオプション設定。カーボンリアキールオプションは45000円だが、見た目がとても格好良い。長さも少し長くなって実用性が高く、強度も高い。しかも機体重量が0.5kg弱軽くなる。なお、このことで地上での機体のスタティックバランスがT2/T2C本来のわずかなテールヘビーからニュートラルに近いものに変わる。

 

「 総括 」

もともとハンドリングに定評のあったT2・T2Cですが、その軽くやさしいコントロール性が故に性能的評価にはかえってマイナス面も一般試乗では見うけたケースもありました。(手強い=高性能)というイメージによる感じかたによるものですが、実際の性能評価は並走しての完全な比較で解るもので単独での試乗では感じ取ることの出来ない部分です。世界記録達成時のファイナルグライド(他の最新トップモデルとの並走)では見事にT2Cの滑空性能を証明でき、現時点では最高レベルのトータルなバランスの機体と言って良いかと思われます。
仮に世界戦用にチューンされた競技マシーンが存在したとしても非常に僅かな性能差のために犠牲にされるハンドリングは大きな負担となります。上級クラスのレクレーショナルパイロットに対して、T2・T2Cは離着陸の容易さも含めてベストな選択としてお薦めできるキングポストレス機種といえるでしょう。

 

 

 

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